非認知能力検定について
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非認知能力検定は、学力では測れない個人の特性や資質を、グループディスカッションとWebテストを通じて客観的に評価・可視化するものです。OECD(経済協力開発機構)が提唱する社会情動的スキルをもとに、非認知能力を9項目に分類し、それぞれの傾向を数値としてフィードバックします。
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本検定では、OECDが分類する「社会情動的スキル(Social and Emotional Skills)」の考え方をもとに、非認知能力を9つの領域に分類し測定しています。具体的には、「忍耐力」や「好奇心」などが含まれます。
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非認知能力検定を受けることで、お子様が自分自身の内面的な特性や行動傾向を客観的に把握することができます。これは自己理解を深めるきっかけになるだけでなく、指導者や保護者にとっても、個性に合った学び方や接し方を考える材料になります。また、探究学習やキャリア教育、進路指導の中で、見えにくい成長を“見える化”する手段としても活用されています。
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非認知能力検定は、2025年にスタートしたばかりの取り組みですが、塾や学童、学校などの教育現場において、子どもの特性理解や接し方を深めるための活用が期待されています。
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はい、可能です。文部科学省が掲げる「主体的・対話的で深い学び」の推進や、令和の日本型学校教育では、非認知能力の育成が重要な要素とされています。本検定は、そうした教育方針に沿って、子どもの社会的・情動的成長を可視化する取り組みとしてご活用いただけます。
申込について
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現在は、法人単位(学校・塾・教育機関等)での団体受検のみお申し込みを受け付けています。
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受検の主な対象は、小学4年生以上〜高校生です。その他の年齢での受検をご検討の場合はお問い合わせください。
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検定日や検定場所は、各学校・塾・教育機関ごとにご相談のうえ、調整して決定します。ご希望の日程・場所がある場合は、できるだけ早めに事務局へお問い合わせください。
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費用は受検人数や実施規模により異なります。具体的な金額については、事務局までお問い合わせください。
検定内容について
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検定の監督や評価、採点は、一般社団法人 非認知能力検定協会が認定した試験官が行います。試験官は各会場に派遣され、当日の進行・評価まで一貫して担当します。担当教員の方による特別な準備は不要です。
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検定はおよそ2時間程度で、次の3つのステップで構成されます。
① グループディスカッション(選択型・自由討論型 各30分)
② Webテスト(全54問・約30分)
③ 結果のフィードバック(約1週間後にお届け)
グループディスカッションは4人1組で実施し、試験官が評価します。Webテストは個別にパソコンやタブレットを使用して回答します。 -
Webテストは、日常生活のさまざまな状況においてどのように行動するかを問う4択式の設問(全54問)に回答する形式です。パソコンやタブレットからオンラインでアクセスし、1人ずつ個別に回答します。グループディスカッションでの行動観察と合わせて、非認知能力を多角的に評価する仕組みになっています。
結果表について
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検定の実施からおよそ1週間以内に、受検者ごとのスコアと分析結果をまとめた結果表をお届けします。学校や塾の担当者様を通じて配布していただく形になります。
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非認知能力検定は、学力のように「優劣」を判断するための検定ではなく、個人の特性を理解し、その強みを活かすためのツールです。そのため、すべての項目で高得点を取ることが目的ではありません。 むしろ、ある程度の「偏り」があることは自然であり、その傾向を前向きに捉えることが大切です。結果を本人や保護者に共有する際は、スコアを評価というよりも「個性の地図」として扱い、本人の自信や成長のきっかけになるような声かけを心がけてください。
非認知能力について
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OECDでは、非認知能力を「社会情動的スキル(Social and Emotional Skills)」として定義しています。これは、感情のコントロール、協調性、責任感、忍耐力、自信、思いやりなど、社会の中で他者と関わりながら主体的に生きていくために必要な力です。
これらは従来のテストでは測りにくい力ですが、人生の幸福度や社会的な成功に強く影響するとされ、近年、教育や人材育成の分野で重要性が高まっています。 -
はい。文部科学省は、新しい学習指導要領の中で「学びに向かう力・人間性等」という観点を重視しており、これは非認知能力に深く関係しています。また、探究学習やキャリア教育の推進、主体的・対話的で深い学びの実現においても、非認知能力の育成が不可欠とされています。
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認知能力は、読み書きや計算、論理的思考など、主に学力テストで測定できる能力を指します。一方、非認知能力は、感情のコントロールや協調性、自信、忍耐力といった“人となり”に関わる力で、数値化しにくいものです。両者は別物ではなく、相互に作用し合いながら子どもの成長を支えます。
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学校生活では友達との関係づくりや集団活動、社会に出てからは職場でのチームワークやストレスへの対応、課題解決力などに関わります。また、進学や就職といった節目の自己PRや面接でも、自分らしさや人間力を伝えるために役立ちます。
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非認知能力は、日常の中での経験や対話を通して育まれます。たとえば、うまくいかないことに向き合ったり、他者と協力して何かを成し遂げたり、自分で目標を立てて行動したりする中で、少しずつ育っていくものです。大人が「見守る」「認める」「ふり返りの機会をつくる」ことも重要です。
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はい。非認知能力は一度身につけば終わりというものではなく、年齢や環境、経験によって変化・発達していきます。特に思春期までの時期は、人との関わりや成功・失敗の経験が、その後の非認知能力の育ちに大きな影響を与えます。
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とても重要です。幼児期や小学生の時期は、人間としての土台が育つ時期であり、自己肯定感、感情のコントロール、他者との関係性など、多くの非認知能力がこの時期に形成され始めます。早い段階から意識して育むことが、将来の学力や人間関係にも良い影響を与えるとされています。
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自分の考えをしっかり持ちながらも、他者の意見にも耳を傾けられる協調性、自信を持って行動する力、困難なことにもあきらめずに取り組む粘り強さ、感情をうまくコントロールできる落ち着きなどが挙げられます。また、人との関わりを前向きにとらえ、成長への意欲を持ち続ける姿勢も特徴です。